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 人形のような女だ。  抱いても嫌がらないかわりに、喜びもしない。いじっていればしっかり濡れるから、最低限、穴としては役に立つが、特に面白みもなかった。  陽平は、嫌がる女が暴れるのが好きだ。嫌がるのを押さえつけ、殴り倒し、力で屈服させるのが好きだ。首を締めながら犯したり、手足を切り落としてダルマにして飼ったり、そういう悪趣味なことはしない。自分はいたってまともなほうだと陽平は思っている。  一度、壺の底で戦った。  大正時代みたいな格好をした女は、そのとき陽平の手の中で武器になった。その武器の力で、陽平は楽々と勝った。  何かお礼をしたいと言ったら、何もいらないと言われた。  ただ、これからの戦いで勝ち進んでくれればいい、と。  一から十までわけのわからない話だったが、わからないことについては深く考えないのが陽平の生き方だった。  だからなんとなく女を抱いている。  この女が本気で嫌がったら、拒む方法はいくらでもあるはずだと思う。だから、許されているのだろうと陽平は思う。嫌がらない女を殴ったりはしない。それはべつに面白くない。普通に抱くだけだ。  後ろの穴に挿れたらどういう反応をするだろう。  そんなことを考えていたら、女が急に目を開いた。  どこも見ていない目だ。何も感じていない虚ろな目だ。  サイレンが鳴るな、と予感した。  陽平は女から離れ、服を着た。  そして、次に起きることを待った。      
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