第8章 あの人の最高の玩具

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一旦こっちに帰ってきて仕切り直すとか、休学してゆっくり周りに相談しつつ考え直すとか。黙って姿を消すよりマシな方法があるはずだと思うんだけど。…うーん、でも。何とも言えないな。 どういう事情があるのか、憶測では判断できない。大したことじゃないだろうとこっちで勝手に決めつけるのは危険だ。 「まあ、奥山の地元の友達に根回しして情報取るのは半分駄目元だから。結局お前が直接メッセージを送り続けるのが一番効果あると思うよ。だんだん絆されていって、そのうちふっとこんなに天ヶ原が真剣に待ってくれてるならやっぱ日本に戻ろうかな。と思ってくれれば御の字じゃん。…あいつもなぁ。まあ、無事でいてくれるに越したことないけど…」 こんなタイミングじゃなきゃ、もっといろいろ気を回せたかもしれないけど。 正直今はどうしても木村の方に意識が向く。彼女をきちんと救い出して解き放って自由にしてあげられたら、もう少し真面目に奥山の件にも向き合おう。と心に留めて、俺は滑らかな路面にタイヤを這わせるようにそっとアクセルを踏んだ。 はぁはぁ、と乱れた呼吸が周りでいくつも弾んで聴こえる。ものを考えるのももう無理。 背後から羽交締めにされ、両脚を開かれて押さえつけられた体勢。自分がどんなにあられもなく恥ずかしい姿に見えてるか、気にかけるほどの精神力はもうとっくにない。次に身体に加えられる快楽の刺激の予感に半分怯えながら、わたしはぎゅっと目を閉じて震えながら身構えた。 「そんな、警戒した振りしちゃって。…今さらだよ。だりあちゃんのここ。…もう奥までとっくに知り尽くしてるじゃん?俺たちみんな…」 「あっあぁんっ、だめ…っ」 両脚の間に触れて捏ね回す柔らかいものは指か舌先か。一瞬判断できずびくん、となる。どのみち好きな人のものじゃない。誰でもない、よく知らない男の何かだ。 そこを弄るように絡みつくたぴに熱い呼吸が脚の付け根にかかるから、多分顔を近づけて舌を這わせてるんだ。ってことはぼんやりわかった。指よりまし、ってことはない。むしろ、これじゃ。 「…あぁ…」 身動きできないように後ろからがっしり両腕を押さえられてるから、どうにもならない。わたしはされるがままにそこを舐め回され、抵抗できずに甘く息をついて抑えきれず腰を弾ませ、切なく悶えた。 最初にこれをやられたときは絶対に逃げられないようにか、目が覚めるとがっちり手錠をかけられて両脚も閉じられないよう何か紐のようなもので縛られていた。 何度もこれをやられるうちに完全に諦めの境地に至って、今では別に拘束されなくても逃げたりせずに大人しく言われるままに従う。暴れてもどうせ無駄だし、素直に受け入れてじっと目を閉じている方がよほど早く終わる。 それに。 「あぁん、もぉ。…いやぁ…」 「嫌とか。…嘘ばっかり、だりあちゃん。あそこ舐められて、めっちゃ喜んでんじゃん。…腰の動き、いやらしいよ。それに、ほら」 頭を脚の間に埋めてる男はよほど夢中なのか、ひと言も喋らずにずっとそこを激しく貪っている。じっとしていられず甘く呻いて腰をくねらせていると、背後の男が耳に舌を差し入れるようにしてねっとり囁きかけてきた。 「見てごらん、自分の胸。…こんなに先硬くして、悶えてゆさゆさ揺らして。恥ずかしいね。…揉んで、弄って欲しいんだ。しょうがないなぁ、淫乱なんだから。ほんとに」 「あ、ぁ。…そんなに、いっぺんに。…だめ…ぇ」 羽交締めにしてた腕を解き、両手を前に回して胸を手のひらいっぱいに覆い激しく揉みしだく。…あぁ。 感じやすいところに深く顔を埋められ、背後から両胸を揉まれて。…お腹の奥の、触れないくらい深いところが。たまらなく、うずうずしちゃう…。 「んっんっ、もぉ。…は、ぁ…」 背後の男の呼吸が弾みだし、わたしの腰に押し付けられてるものが熱く、はち切れそうに硬くなるのがわかった。 首筋につ、と舌が這わされて軽く歯を立ててくる。不意打ちにずきゅん、と中が締まって疼く。 「だりあちゃん。…可愛いね。ほんとに、これが。心底大好きな身体で。いやらしい子だなぁ…」 それがわかってるなら。…何もいつも毎回、寄ってたかって身体を無理やり抑えつけたり。紐やなんかでわざわざ身動きできないよう縛ったりしなくても。いいのに…。 わたしは逃げない、嫌がらないって知ってる。毎回全部同じ人たちじゃないから時々入れ替えがあるみたい。でも、わたしが暴れたり抵抗したりするって本気で思ってる人は一人もいないんじゃないかと思う。 だって。…今も、目の前に。 「おい。…いつまでむしゃぶりついてんだよ。夢中になっちゃって。もういいだろ。そろそろ、順番に。挿れようぜ…」 わたしの片脚を抑えて覗き込んでいた男が、ごくりと大きく喉を鳴らして股間に顔を埋めてるやつを急かした。 そいつはやっと顔を上げ、そっちに言い返しながら指を濡れそぼった中に差し入れてぐりぐりと回す。わたしはびくびくっとなってのけぞり、大きな声を上げた。 「あっひぁっ、いやぁ…んっ」 「充分蕩けさせて、淫乱な雌みたいな欲しがりにさせた方が。俺たちだって愉しめるだろ、焦ったら損だよ。…うーん、でも。早くもぐしょぐしょだなぁ。見ろよ、これ。…こんなにぱっかり開いちゃって…」
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