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それしか陽くんに必要とされて、愛され続ける方法はない。
幸い彼はわたしに当てがう相手はしっかり選んでくれて、酷いことや痛めつけるような仕打ちはされないよう側で見守ってくれていた。彼が見ている中でわたしを傷つける勇気のある男なんかいるわけない。みんなわたしを気持ちよくさせようと必死になってくれた。
口を開けて誰かとキスを貪りあっているうち、何だかじんわりと感じてきて急に中がきゅんときつく締まった。後ろの男が不意をつかれたのか、いきなり呻いてわたしにしがみついてくる。
「あっあぁっ、だりあちゃん。…いいよぉ…」
「終わったか。早く出せ、いつまでも余韻に浸ってんじゃねーよ。後がつかえてるから」
うっとりとわたしに覆い被さろうとするその人が退かされて、息つく間もなく別の人が入ってきた。わたしは再び呻いて腰を回して、次の怒張したはち切れそうなものを中で味わう。
「ああ、すげー。…だりあ、上手くなったな。腰遣いめっちゃいい。…もぉ、こんなの。男の良さ、知り尽くしてるじゃん…」
「仲間うちの男はみんなひと通り食ったしな。どんな男のだって、その気になれば一発でいかせららるテクあるしこの子。…もうとっくに恥じらいもないし。それより、弄って挿れて欲しい欲の方が。勝っちゃってるもんな…」
我慢できない、待てないから口でして。とキスしてた男が震える声で囁いて、わたしの前で膝立ちして求めてきた。何の抵抗も感じず大人しく口いっぱいに含む。後ろから何度も音がするほど深く捩じ込まれ、胸や前の部分は待ってる別の男たちの手や指で絶え間なく弄り回されて…。
「あっあっ、いいっ。…だりあちゃん…っ」
「あぁっ、出る…ぅ」
わたしが抑えきれずびくん、びくんと身体を弾ませていくと、前と後ろの男たちも情けない声を漏らして同時に昇りつめたようだ。
みんなでぐったり横たわって浅い息をついてると、次の男たちがわたしにのしかかる前にベッドの脇で彼が身を起こした気配がした。
「そろそろ仕上がったな。…そいつを仰向かせろ。脚を広げさせて。みんなで手脚を抑えとけ」
もう抵抗する力なんて全く残ってないのに。
それでも彼は、わたしをみんなに抑えさせてやってるところを見せつけるのが好きだ。
わたしの手や脚を四方から他の男たちがベッドに押しつけて見守る中、彼が上からのしかかるようにしてずい、と深くわたしの中へ入ってきた。
完全に蕩けきってもう原型を留めてないんじゃないか。と思うくらい男たちにぐちゃぐちゃにされたそこが、陽くんのだ。と実感した途端にきゅうっときつく締め上がる。彼がうっと短く呻いて一瞬身を固くしたのを感じて、ぼんやりと誇らしい気持ちになったのを覚えてる。
「…まだ感じるのか。だりあ…、お前は。ほんとに」
霞んだ目をうっすら見開いて朦朧となりながら一心不乱に腰を振る。何度もいかされ過ぎてこうやって完全に箍が外れておかしくなったわたしとするのが彼は好きだ。久しぶりに興奮して呼吸を弾ませ、わたしの胸を揉みながらのしかかって中を味わうように腰を遣う。あまりの気持ち良さであられもない声を上げ、痙攣するように身体を激しく波打たせてるわたしを見下ろして彼は低く呟いた。
「ど助平の、淫乱女だな。…綺麗な顔して。…最高の俺の女だよ、お前は」
初めてこれをやられたのは完全に不意打ちというか。何の前触れもなくそれは起こった。
彼とわたしが付き合い始めたのが高校一年の終わり頃、初めてを経験したのはその一か月後。それからずっと、ごく普通の高校生同士の交際だった。高校生同士って週に一度か二度はセックスするのが普通なのかどうか。そこら辺の常識は実のところよくはわからないけど。
周囲の目をさほど気にする必要のない、自由度の高い彼の環境としては。まあまあ節度のある求め方だったと思う。
卒業して彼のお父さんが紹介してくれた会社に無事就職したわたしはやっと母の家を出て自立した。お父さんの会社の系列の不動産屋がわたしのアパートを用意してくれた。将来の彼の嫁候補として認められてる、と自惚れておかしくない手厚さだった。
今の会社の人たちはみんな親切で雰囲気もアットホームだけど、多分この仕事は結婚までの腰かけ。数年間彼がお父さんの仕事を手伝って経験を積んで一人前になったら式を挙げて入籍して。わたしは家庭に入って子どもを産む。普通の幸せを手に入れるんだ。
そう信じて何の疑いも抱かなかったある日のこと。晴天の霹靂というべき事態が起きて、わたしの世界の全てが丸ごといっぺんにひっくり返ってしまった。
デートで連れて行かれたお店でこれ、是非飲んでみてください。と出された珍しいカクテルを興味津々で口にしたところまでは記憶がある。
次に意識を取り戻したのは、そのときのわたしは知らなかったけど。彼のお父さんの持ち物である幹線道路沿いに建ってるいくつかのラブホのうちの一室の中だった。
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