第8章 あの人の最高の玩具

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ベッドの上に横たえられていて、既に裸だった。前にも言ったけど手錠で繋がれて両脚は閉じられないよう縛られた状態。しかも彼以外の複数の男たちが、ぎらついた目でいやらしい笑みを浮かべてわたしを覗き込んでいた。 「すごいな、だりあちゃん。エロ本みたいなかっこだよ?恥ずかしいとこ丸見え。…写真撮っちゃおかな」 みんな携帯を取り出してあられもない姿のわたしを撮り出した。 パニックになって必死で拘束を解こうとしてるわたしを皆であざ笑い、そのうち手や口で身体を弄び始めた。このままじゃ流れでやられちゃう。と縋る眼差しを向けて助けを求めると、みんなの背後でずっと黙って腕を組み成り行きを見守っていた陽くんは、冷静な顔つきでわたしを諭した。 「大丈夫だ。怖がることないよ、だりあ。これは試練だからね。俺に相応しい女になるために。絶対に必要なことなんだよ」 そう言ったきり、わたしが弄り回され舐め回されて玩具にされて、次々に貪られて写真を撮られるのを最後まで黙って見つめていた。 息も絶えだえになって完全に心が折れた頃、ようやく彼がその男たちを退かせて寄ってきたかと思うとわたしの拘束を解かずにそのまま犯した。壊れた機械みたいに反射的に感じてしまって、ただびくびくと深く何度もいくしかなくて。涙を流しながら彼を受け入れたわたしを、何だか久しぶりに愛おしそうに見つめて微かに呻きながら彼が中で果てたのをぼんやりと意識した。 何でこんなことになったのかわからない。頭がついていかなくて事態をまるで受け入れられずにいたわたしだったけど。残念ながらその一回でことは終わらなかった。単にそれは始まりに過ぎなかったんだ。 睡眠薬を盛られて眠った状態で騙し討ちされたのはそのときだけで、その後は普通に意識のある状態でホテルに連れていかれた。 既に彼が集めた男たちが待機している一室で、服を脱がされて手錠や紐で拘束されて弄ばれ、次々とやられる。ものすごく怖いし嫌でたまらなくて辛かったけど、逃げ出そうって発想はまるで頭に浮かばなかった。 ここを出てどこかに行こうにも何の当ても思い浮かばないし。例えば何の後ろ盾もなく身ひとつで他の土地に逃げても、わたしみたいな何の取り柄もない頭の悪い子がそこでちゃんとやっていける気がしない。どうせ結局は水商売か、風俗に堕ちるしかない未来が見える。 だったら今とやってることは同じだし。いやむしろ、ここで起きてる事態の方が実際は全然ましなんじゃないかな。 一か月ほどの間隔を空けて何回かそれを経験させられたあと、わたしは少しずつ頭を整理して状況を理解しようと努力した。 初めてそれが起きた日、みんなを帰らせたあとのホテルの部屋で彼はぼろぼろのわたしを抱きしめてよく頑張ってくれた。俺の仲間たちを歓ばせるために耐えてくれてありがとう。みんな感謝してるし、だりあのおかげで俺のためにこれからも尽くしてくれると思うよ。と優しくフォローしてくれたので、これは彼を慕う友達や同僚の人たちに対しての一種の接待的な行為なんだな、ってことは漠然とわかった。 それにしても、地元最大の建設グループの将来の後継者が自分の彼女を使ってそこまでやらせる必要はあるんだろうか。って疑問は消せなかったけど。変な話だけど、性的な接待するんでももっと常識的なやり方があるんじゃないかな。風俗のお仕事の人たちを呼ぶとか。 自分の未来の妻を裸にして縛って、お前たちで好きにしていいよ。なんて。…そんなことしてお世話になってる部下たちを歓待するリーダーなんて。どこの世界の話でも聞いたことない気がする、けど…。 でも、終わるごとによれよれになったわたしを抱いて頑張ってくれてありがとう、だりあは俺の自慢の彼女だよ。と最近場長いこと聞くこともなくなってた優しい声で感謝してくれるので、もしかしたらわたしはやっぱり必要とされてるのかな。彼の友達もみんないつもすごく喜んでくれてるのは確かみたいだし…、と少しずつぐらついて説得されてきた。 それに、彼は獣たちの前にわたしを放置してそのまま場を外したりはしないで、いつもちゃんと最後まで様子を監督してくれてる。少し離れたところでじっと腕組みして、初めから終わりまでわたしがされるところを隈なく見てる。…その視線を感じながら他の人たちに弄ばれてると。何故だかかえって、身体じゅうのいろんなところが余計にぞくぞくと感じちゃう。…んだけど…。 「お前一人に大変な思いさせて俺がその場から立ち去るわけにいかないだろ。辛いけどちゃんと、最後まで見るよ。お前があまり酷いことされないように見張る必要もあるし」 と言っていてそれはその通りなんだけど。 辛いとか義務を匂わせてる割には。いつも途中参加はせずに傍らでじっとわたしがされてる様子を見つめてるだけ、それはまあいい。 だけど最後の最後は必ずぐったりしてろくに動けないわたしをみんなにわざわざ抑えつけさせて。それから普段よりやけに激しくわたしを貪って、満足そうに達するのは。…結構それなりに彼もこれを愉しんでるんじゃないか?ってつい疑っちゃうわたしは。素直じゃないのかなぁ…。
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