24人が本棚に入れています
本棚に追加
『ワイズリー兄妹について。
彼は妹のミカエラを溺愛していた。休日は必ず兄妹ともに出かけるほどだったらしい。
彼女は本が好きで、兄が書く物語をいつも楽しそうに読んでいた。ミカエラは、自分が主人公の物語を書いて欲しいとパトリックにお願いしたことがあったようだ。彼は快諾し、その時にSTORIYという天真爛漫で何にでも興味を抱く女の子が潜在意識が具現化された不思議な図書館を冒険する物語を書いた。その話をきっかけに彼は自分が執筆する本に魂を込めることを思いついたらしい。スタラリーのスペルがSTORYのRとYの間にIを入れて読むことができるのは、パトリックが物語に魂を込めたきっかけを作ったミカエラに対する感謝を表しているのかもしれない。』
本を読み終わって初めて、スタラリーがなぜパトリックのことをお兄ちゃんと読んでいたのか理解できた。
「ミカエラも、スタラリーもワイズリーに愛されていたんだな」
マークはしみじみと呟いた。
彼は穏やかな表情で活字を追っていたが、
何かが書かれた文章に釘付けになった。
本を見せてもらうと『ミカエラの初恋の人物』と書かれている。その下には『チャールズ・エドワード・フォーブス』と名前が記載され、詳細が載っていた。
最初のコメントを投稿しよう!