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ドアを開けて前を見ると、下に続く階段があるのが判った。狭い階段の踊り場に足を踏み入れると、右の壁際に木のテーブルが置かれていて、その上に本が壁に立てかけられていた。
マークが本を手に取って読んでくれた。
『潜在意識と顕在意識』
『潜在意識は、内なる欲望や好奇心、想いなど心情を表している。好奇心や欲望、想いなどの潜在意識が、顕在意識に表れてはじめて行動に移すことができる。
しかし、行動に移したことが全て良い結果を生むとは限らない。』
マークは読み終えると本を閉じてテーブルの上に置いた。
「もし、行動に移したことが全て上手くいく世の中だったとしたら、きっと悩みや苦しみは生まれないんだろうな」
彼はそう言って苦笑した。
マークのように、全て理解できたわけではなかったが、行動に移す時は慎重に考えることも必要であることが分かった。
下に降りる階段を眺める。きっと、この先に出口があるのだろう。
マークと顔を見合わせて階段を降りていった。
一番下に到着して真っ直ぐ進むと、光が差し込む部屋にたどり着いた。ドアはなく仕切りもないため、開放感溢れる部屋の内部が目の前に広がった。
その部屋は、上の階とは違い、色で壁や床が彩られているわけではなかった。
マークと一緒に部屋の中に入っていった。
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