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庭の奥
とても美しい風景に胸を高鳴らせながら、マークと一緒に歩く。小川を抜け、樹木林の中を歩き、丘を越える。
薄茶色のレンガの家まで来て、鉄の柵でできた門の前で立ち止まる。門に鍵がかかっているか調べるが、鍵はかかっていなかった。
扉の取っ手部分を見ると、鍵がかけられるように南京錠が付いている。しかし、それが外れて土と草に埋もれているのが微かに見えた。
しかし、門は閉まっていて、左右に開く扉の柵の部分に羊皮紙が結ばれていた。
「マーク。この羊皮紙、取っても良いのかな?」
「南京錠があるんだし良いんじゃないか?何かに役に立つかもしれないし」
マークはそう言うと、扉に手を伸ばし羊皮紙を柵から外した。
一緒に紙を広げると、そこには目の前にある家の地図が書かれていた。
1番左から順に『庭、家、図書館』と名前が記載され、簡略化された絵も描かれている。
「書斎じゃなくて図書館があるのか?」
「そうみたい。1番右にある建物だよね」
「地図によればそうだと思う。家の中、入ってみよう。出口がどこかにあるかもしれない」
頷いて、扉を開く。門の中に入ると家の前にはレンガが地面に埋め込まれていて、家の茶色のドアの前まで続いている。
ドア横にインターホンは無く、真鍮のドアノックが取り付けられている。
マークと一緒にドアの前に立ち、彼はドアノックでドアを叩いた。しかし、誰も出てこない。
ドアを開けようとドアノブを回したが鍵がかかっているのか開かなかった。
「シェリア、先に庭を見てみよう。この家の鍵が見つかるかもしれない」
「うん、分かった」
家を左に曲がり、庭に向かう。
鉄の柵のアーチがあり、くぐっていくと庭とは思えないほど広い敷地が目の前に現れた。
白やピンク、赤の薔薇やラベンダー、ミントなどのハーブなど植物がそこかしこに咲いている。
奥には白いテーブルクロスが掛けられた青銅色をした真鍮製の丸いテーブルがあり、周りにテーブルと同じ色と造りのロッキングチェアが4脚置かれている。
ガーデンパーティーやアフタヌーンティーを楽しめそうなほど、美しい庭だ。
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