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各部屋のドアを開けて室内を調べようとしたが、鍵がかかっていて開かなかった。
仕方なく諦めて、階段を下りて広間に戻ると、マークが書斎を見たいと言った。
頷いて、2人で書斎に入った。
「どうして書斎が見たくなったの?」
「個人的に気になっていることがあるからだよ。ミカエラとパトリック兄妹の2人と、ある人物の関係性が知りたいんだ」
マークがそう言って左側の本棚から本を1冊抜き取った時だった。
誰かが外から家の中に入り、玄関のドアが閉まる音と広間に走ってくる足音がした。
「シェリア、マーク!!いるの?」
スタラリーの声だ。追いかけてきたのかもしれない。声を聞いたマークが肩を叩いた。
「本棚の陰に隠れて!」
急いで本を抜き取った本棚の陰に隠れた。
息を潜める。
スタラリーがダイニングルームのドアを開ける音がした。
しかし、私たちがいないことが解ったのか、ドアを閉めた。
しばらくして、書斎のドアが開く音がした。
「シェリア、マーク?……………いないか」
彼女の寂しそうな声が聞こえ、ドアが閉まった。
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