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1時間ほど待っていると誰かの足音がした。思わず肩をびくつかせてしまった。スタラリーか、それともマークなのか?分からない。怖くなって、部屋の中に入ってドアを閉めた。
…暗い。部屋の中が暗闇に閉ざされていて、何も見えない。足音はどんどん近づいてくる。
心臓の鼓動が緊張で速まっていくのを感じながら、目を瞑って耳を澄ませた。
注意深く足音を聞いていると、テンポがわかってきた。軽やかな足取りというよりは、ゆっくりと歩いているように聞こえる。
やがて、その足音はドアの前で静止した。
沈黙が流れる。何の音も聞こえない。
外に出たほうがいいのだろうか?それとも留まっていたほうが安全だろうか?
考えあぐねていると、4回ノック音がした。
驚いて、思わず後ろに下がった。すると、身体に板がぶつかり音を立てた。
5秒ほど経ってドアノブが回る音が聞こえ、外の光が部屋に細く射し込むのが分かった。
ドアの前にいるのが、スタラリーかマークか分からず目を強く瞑ってどちらであってもいいように心の準備をした。
目を瞑りながらも外の光が一斉に部屋に入ったことが感じ取れるくらい、明るくなったのが判る。このまま、目を瞑っていても仕方がないから目を開けた。
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