神様と名乗る少年

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 僕の言葉に固まったリオウ、ばいばいと手を振るスイレンを背に、リンファの家へ歩き出す。生姜焼き、楽しみだなあと考えを巡らせていると「お、俺も行こうかなあ……」とわざとらしい声が聞こえてきた。 「食べたいんだ?」 「ち、ちげーよ!火使うのに薪割りとかあるだろ……リンファ一人だと大変だし……」 「ふーん」  ごにょごにょごにょごにょ。 はっきりしない男だ。来たいなら来たいと言えばいいのに。まあ、そんな彼を僕はずっとみているから今更なんだけれど。  僕は小さな頃からなんでもできた。 人の心を読むのも、何かを作り出すのも。ただ一つできなかったことがある。人の心が読めてもできなかったこと。それは、『縁結び』だった。  どうしても人と人をくっつけることができない。それは完璧な存在として産み落とされたはずの僕の『欠陥』だった。  人の心が読めるけど、人の心がわからない。大昔、誰かにそう言われた。それ自体は悲しくなかったけれど、意識すれば意識するほどに縁で人を幸せにすることができなくなっていった。  読めるとわかるはどう違うの。  なんで僕は人を幸せにできないの。  そうずっと考えてきて、出会ったのがこの二人。リオウとリンファだ。この二人は幼馴染。リンファもリオウも変な子ではあるけれど、一緒になったら多分幸せになれる。  そう思っていた。  しかし、僕の知らないところであの神竜と縁ができてしまったせいでそれも危うくなっている。リオウはリオウで超奥手。困ったね。  まあ、僕としては話が面白くなるのは大歓迎だし、ちょっと近くで観察しようかなと思ったのがこの村に住みはじめた理由。  住み始めるとこの村の人はいい人たちばかりで、人間を少し下に見ていた僕だけどそれもすぐになくなった、ような気がする。
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