神様と名乗る少年

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 僕としてはどちらとくっついても問題はない。ただ、それが彼女・彼らにとって良縁であることを願うばかりだ。  まあ、リンファの性格もあって前途多難なんだけど。色々な意味で。 「おーい」  だいたいリオウが超絶奥手だからハクレイなんかに遅れを取るんじゃないか。まったくもう、8年も片思いなんて。まあ自覚したのは最近のようだけど。 「おいってば」 「どうしたの奥手」 「誰が奥手だ」  びよんびよんとほっぺたをつねられる。暴力反対ーと言えば、彼は周りの目を気にしてパッと手を離した。 「もうリンファの家の前だぞって」 「知ってるよ」  またびよんびよんとほっぺたをつねられる。まったく、彼には神様を敬うと言う気持ちはないのか。 「騒がしいと思ったら……よくきたわねシュリエ。……それにリオウ? なにやってんの?」  リンファに見つかると慌てて手を離し、「い、いやそのこれは」と慌て始める。 「……? まあいいわ。リオウも食べていくでしょ? 生姜焼き。ハクレイも食べるって言って聞かないし」  見ればまるで女神でもみたかのようなキラキラとした表情をしている。リンファもそれを肯定と受け取ったのかにっこり笑うと「じゃ、薪割りよろしくね?」と言って蔵へ入って行ってしまった。リオウの薪割りが必要発言が当たっていたのを見ると、やはりこのあたりは幼馴染か。
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