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「我は普通の村娘のリンファが好きだ。ぜひ嫁に――」
「神竜の嫁だなんて普通じゃないわ。何度も断っているはずよ」
そう、何度目かの告白も、彼女には届かない。肩を落とすハクレイと、少し気の毒そうにみえるリンファの表情に、傍観していたスイレンが口を開く。
「1日デートでもしてみたら?」
「おお」
「はぁ!?」
それはハクレイにとっては天使の声で、リンファにとっては悪魔の囁きだった。
「何を言ってるのスイレン!!なんで私がハクレイとデートを!?」
「何事も経験よリンファ。――それに面白そうだし」
小声でそう付け加えたスイレンに、リンファはわなわなと震えている。
対するハクレイはデートコースを考えているのか何かを思案するようなそぶりをしている。
「それは良い案だスイレン! 要は1日デートをしてリンファを虜にすれば良いのだな!?」
「いや、そこまで言ってないんだけどね。お試しお試し」
スイレンは笑いながらハクレイを見据えている。
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