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「あら、ハクレイさんじゃない」
「お、ほんとだ。スイレンは目がいいな」
そんな声が聞こえ振り返ると人間が二人。この村の人間で、知らない仲というわけでもない。リンファに看病された際に彼女の友人である彼らと顔も合わせたためだ。
「ハクレイ、またリンファになんかしたのか? なんかスッゲー怒ってたぞ。普通じゃない〜〜〜っ!ってさ」
金髪に緑色の瞳を持つ青年が我に気安くそう話しかける。まあ、我は寛大であるから無礼な態度も少しは許してやれるのだが。
「リンファがそうなってるのはいつものことじゃない? 非日常アレルギー」
「非日常アレルギーて」
そう、リンファは普通じゃないものが大嫌いなのだ。我は種族からして人間の普通とは違う。我にはこれが普通なのだが、どうも彼女はこれが許せないらしい。
「ドアを壊したら怒られた」
「そりゃ怒られる」
「どうしてそんなことを」
「ドアを直しても怒られた」
「どーせ神通力使ったんだろ」
「容易に想像できる」
むむむ……なんだこの二人は……我を小馬鹿にしおって……。我神竜ぞ? 神竜を敬う村ではないのかここは。
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