地の底から、飽くなき渇望を

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 玉座へと腰掛けると、おやつが運ばれてくる。  焼き菓子。  確か、この前の遠征時に滞在した片田舎のみすぼらしい村で購入したものだ。  クッキーだかフィナンシェだかわからないが、その中間のような見た目をしている。ふんわりしたクッキーとでも言えばいいのか。  魔王は少しげんなりしてしまう。  同じ店で同時に買ったショートケーキを購入日の内に食べたのだが、お世辞にも良い出来ではなかったことを覚えている。  なんだか妙に消毒臭く、舌触りも悪かった。  所詮は田舎の洋菓子と魔王は馬鹿にしていたので、同じ店のものである以上、今日のおやつは期待できない。  ――嫌な日だ。  魔王は残念に思った。  そして残念に思ったと同時に思い出す。  今はおやつを気にしている場合ではない、と。  再び魔王は焦りだした。  魔王はおやつを運んできた部下に言う。 「なんか、命を狙われてるっぽいんだけど」  部下は返す。 「まぁ、魔王様は魔王なんですから、そりゃ狙われてますよ」  ――そういうことではない。  面倒ではあったが、魔王は部下に状況を説明した。
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