竹田くんの告白、そして赦し

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 彼は床におでこを付けたまま話し出す。 「おっぱいレンタルドットコムの手術室でキミのおっぱいに手を触れた時、僕は一目惚れだった。あんなに初々しいおっぱいを見るのは初めてだったんだ。問診票ではセックスの経験があるようだけど、目の前の乳房はアルプスの処女雪のように一点のほくろも、傷も、ニキビ跡もない完璧な乳房だった。もちろん「完璧」の概念は人によって違うだろうけど、処女フェチの自分には美彩のおっぱいが理想形だった。両手にすっぽりと覆われる小ぶりのふくらみ。中学生で未発達なのと訳が違う。はたちの女の子のパーフェクトなコンパクトさなんだ。これこそ完璧の名にふさわしい! 乳輪なんてまだほとんど色づいてない。ミルクを溶かし込んだような丘に一滴だけベージュの水彩絵の具を滲ませたような趣き。輪郭が形成される前のファジーさなんて芸術の極地だ! そして、その中心の乳首と言ったら……。乳房の頂上にできた細長い窪み。ツンツン突いていると、右だけちっちゃな乳首が顔を出す。ほんのちょっとだけ。まだ痛々しささえ残る乳首。左は顔さえ出さない。かわいいと思った。美しいと思った。ため息が出た。この乳房は僕が守るんだ。そして僕が育てるんだ。──そう決意したんだ」  竹田くんには、その時つきあっているカノジョがいた。乳房には満足していたが、カレシがおっぱいレンタル関係の仕事をしているから、恋人のよしみで入会はしていた。陥没乳頭なんてイヤだ。元のおっぱいを返してほしいと何度もカノジョは懇願した。しかし彼は断固としてはねつけ、私のおっぱいを彼女にテレポートした。 「カノジョのことは大好きだった。大学時代からつきあっていた。明るくて気立てもいいし、美人だ。乳房はDカップだった。揉み心地は最高だ。握りしめると指と指の間から乳肉がはみ出るような感覚。そんな贅沢を味わえる日本人がいったいどれほどいるというのか。わが国民の平均的カップはBと聞いている。それが、Dだなんて。僕はほとんど毎日彼女のおっぱいを楽しんでいたんだ。でも……、でも!美彩のおっぱいに出会った瞬間にその価値観は見るも無残に崩壊した。スモール・イズ・ビューティフル! 陥没乳頭の美しさ! 」
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