フ・ク・シュ・ウ

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「ほほう。言葉がテレポートにも影響を与えるのかね」 「はい。日本人の見る世界は日本語により構造化されています。韓国人の理解する世界は韓国語により構造化されています。韓国語のことはあまりよくわからないのですが……、たとえば、韓国語の黄色、つまりノラン( 노랑 )は、日本人の感覚では茶色の領域の一部までも含みますよね。違いますか?」 「まったく、竹田さんのおっしゃる通りです。私が今履いてこのシューズの色も靴屋の店員はノラン、つまり黄色だと言ってたねえ」  接客室で交わされている話が私の興味を引いた。クチャクチャと大事な穴をかき回され、快感で脳がふやけそうだったが、私のアンテナは竹田くんの声だけは良く拾うことができた。 「そうですよね。社長はもう韓国生活が長いですから、靴の色をノランと言われても驚かない。でも、わたくしのように韓国語に疎い人間はどうでしょうか。生真面目な通訳が社長の靴を『黄色だ』と通訳したとしましょう。わたくしはそれを聞いて、社長がいつもレモン色の靴を履いていらっしゃると誤解するでしょう」 「はははは! レモン色の靴か。そりゃいい!」  レモン色の靴をはいた中年男の姿が浮かんできて噴き出しそうになったが、押し寄せる快感に押し切られ、私はまた「あうーん」と喘いでしまう。 「実はですねえ、それと同じようなことが言語を異にするテレポーターの間で起こるんです。韓国人発の思念的形状を受け取った日本人テレポーターは、それを微妙に歪んだ解釈して材料を形状化してしまうかもしれません。そうなると、大切な女性の乳房の形状が歪んでしまうんです。テレポーターどうしは言語は交わしませんよ。でも、テレポート空間は言語のように構造化されているというのが、最近の研究者たちの見方です」 「そうか……。とすると韓国でおっぱいレンタルをするとしたら、顧客は韓国人のみ、テレポーターも韓国人。そうしろということだね?」と、田中社長。 「さらにもう一言助言させていただけるなら、テレポーター養成チームも韓国の方で統一する必要がありそうです」 「なるほどねえ……」  田中社長が吐いた大きなため息が、接客室の床を這い、ドアの隙間からここ給湯室にまで届く。 「……っ!」  私は陰毛が風に揺らぐのを感じた。田中社長のため息に揺らいだのではない。夏子さんにクロッチをずらされ、熱く湿ったそこが空気にさらされたからだった。  指が侵入してくる。すでに潤っている膣襞をクチュクチュと弄んでいる。 「ああっ……、ダ、ダメです。洗ってないし……」 「ふふふふ……。却下っ!」  二人で同時に吹き出した。そう。夏子さんの「おっぱい記念日」に同じやり取りがあったことを思い出したのだ。
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