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「こ、こ、こ、こんな大金、ぼぼぼ僕にくれるんですかっっっ!!??」
差し出されたトランクを開けると、10億はあろうかと思われる札束が私の目の前に現れた。
「わては、約束は守る男でおま。」
その男は小学生の時の同級生、武者小路 諭吉だった。
「だ、だ、だ、だってこれは、きっ、きっと悪いことをしたお金だろ?」
諭吉は恵比須様のような笑顔でほほ笑んだ。笑うと頬の両端にえくぼが出来た。小学生の時はガリガリに瘦せ細った少年だったが、今はふくよかな体型である。変わらないのは坊主頭であることと、おでこの真ん中に大きなイボがあることであった。
「わてを信じられへんか?」
・・・信じられなかった。
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