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感じることはさっきまでの刺激で身体が覚えてしまっている。
「時間はいくらでもある」と言われていじられ続けたのだ。
焦ったいほどにゆるゆると指でいじられて、舌で舐められて男なのにそこが感じると教えこまされた。
「ああ、そうだ。そのまま感じていろ」
言いながら腰を押し進められる。
胸を刺激されて甘い声を上げると身体から力が抜ける。そこを見計らって秘孔に押し入れられる。
「ああっ、だめぇ……やぁ」
抗った声を上げても徐々に身体は快感を覚えて受け入れていく。
「ここだろう」
言いながら指でいじられて知られた感じるところをその熱い切先で擦られると甘い声を上げてしまう。
何度も擦られると声は甘く変わって身体は受け入れてしまう。
擦り付けられて奥へ、奥へと受け入れて根元まで受け入れた時には甘い声しか上がらない。
身体は快感に従順だ。
そんな身体なのだ。
こんないやらしい作りをしているのだ。
甘い、快感に弱い……そして、快感に従ってしまう。
僕がΩで、彼がαだから。
彼が最高位を継いだのは先代が崩御してわずか数日前のことだ。長患いの先代は息子に早々に王位を譲ると公約していた。
彼がαなのは国民の誰もが知っている。
そして、全てのΩがお伽噺のように彼に見初められるのを待っていた。
新国王となって戴冠式を終えて行われたパレード。豊かな国を象徴する煌びやかな行列に誰もが喜びの声を上げて、新国王の即位を祝福した。王城へ続く階段の上段から新王は手を振った。
僕は広場からその姿を見ていた。
王冠を被り、豪奢な金と宝石を身につけて長いマントを羽織った姿に胸が熱く高鳴った。
その場にいたΩは誰もがそのαの虜になったはずだ。
Ωなら誰しもが見初められるのを願ったはずだ。
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