守られるΩと甘い約束を

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 群青の綺麗な瞳と鍛えられた身体、太くて逞しい腕。男ならばああなりたいと誰もが羨む肉体を持ち、その声は低く色香を漂わせている。世界中にただ一握りのαの中でも彼はその頂点だろう。  素直に答えると眉間に皺を寄せる。 「『運命の番』を知っているか?」 「運命の、番?」  バース性はαとΩ、βがあって、男女の性を合わせると6種類の性が混在している。Ωは男女とバース性関係なく子どもを作ることができる。だけど、αとΩは『番』という契約を結ぶことができる。番になれば互いのフェロモン以外には他の性からのフェロモンによる影響を受けなくなる。 「生まれる前から番うべき定めにある運命の番だ。もしも、お前が俺の運命ならば俺に惹かれ、唯一のΩになるはずだ。俺はお前を見た瞬間に感じた。お前はどうだ?」 「僕は、初めてαに会ったのでこれが運命の番なのか、α性に引き寄せられたものかわかりません」  だけど、視線が絡んだ一瞬で身体は熱く昂って、心臓は熱く打った。  こんなことは初めてだった。手が触れただけで身体は甘く溶け出し、立っていることさえもままならなかった。 「他のαに会ってみるか?」  明らかに渋々という顔をして言われて、可愛いと思ってしまった。  もしも、他のαに僕が発情したらそれは運命ではないから。  彼は僕が運命だと思っているし、『俺のΩ』と呼んでいる。  しばらく話をしていたはずなのに、僕はそのまま眠ってしまったようだ。 「レイ、そろそろ起きて」  耳元で囁くように言われて、誰だろうと思いながらゆっくりと目を開ける。  漆黒の髪が見えて、群青の瞳が細められて見下ろしている。 「……お、おは、ようございます」  気恥ずかしさに吃ってしまうが、「おはよう」と微笑まれて余計に恥ずかしくなった。
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