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それでも僕は、救おうとはしなかった。
だってまさか、本当に落ちるとは思っていなかったんだから。
いや、これは単なる言い訳だ。
悪い人間の台詞だ。
それでも……普通は助けるべきだったのに、周りから見たら僕は悪人と見るものなのに、君一人は礼を言ってくれるなんて、何だかおかしな話だ。
君は、自殺を図って、天国にでも行きたかったのかな。
それとも、この世が地獄に見えたから、抜け出したかったのかな。
きっと辛かったんだろう。
自殺なんて、どんなに勇気があってもできるようなものじゃないんだから。
僕の選択は、きっと世間からは間違いだと思われるだろう。
だけど全てが間違いではなかった。
それを証明してくれる者は、もうこの世には存在しないけれど。
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