Rule 1

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Rule 1

「……ごめん、やっぱり(しずく)を女性として見ることは出来ない。君は俺にとってずっと妹のようなものだったから」  初めて迎えた二人の夜、私を抱いた後にその日夫になったばかりの彼はそういった。  確かに彼が私に触れる様子はどこか儀式めいたものがあり、私が想像していたものとはだいぶかけ離れていた。愛情も欲情も感じられないその行為に、私の心と体も冷えていくのが自分でもわかってしまったから。  そう思うのならば最初から私を抱かなければよかったのだ。それなのに中途半端に彼に触れられたことで、私の中で諦められない気持ちが生まれてしまった。  ……こうして抱き合うことが出来るのだから、いつかは夫の考えも変わるかもしれない、と。  しかし夫の岳紘(たけひろ)が私の肌に触れたのは、一年間の結婚生活でこの一度だけだったのだが。
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