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これが真剣に考えたと言うルールなのなら、彼はなぜ私を結婚の相手として選んだのだろう? まさか単に私が彼にとって都合の良い幼馴染みだったから?
……そうでなければ、こんな酷いルールを私に提案してくるわけがない。
「そんなことはない! 俺はただ真剣に雫とのこれからの事を考えて……!」
「二人の未来を考えているのに、どうしてお互い別に恋人を作らなきゃならないんです? それって不倫でしょう?」
岳紘さんの言う“夫婦間不純ルール”は、私は夫の……夫は私の浮気を認め合う。そんな内容だったのだ。その理由はやはり岳紘さんが私を女として見れないからなのかもしれないが、あまりにも酷いのではないだろうか?
悔しさからかじわりと滲んでくる涙、それを夫に見せたくなくてギュッと唇を噛み締めた。
少なくとも私は彼の妻で、夫は一度私を抱いたのだ。それなのにまさかその夫から……ずっと好きだった相手から浮気を勧められるなんて思いもしなかった。
「他に、気になる女性でも出来たんですか……?」
ルールには私だけでなく、夫の岳紘も別に恋人を作って良いことになっている。ならば彼が私ではない誰かとの付き合いを望んでいると考えた方が、このルールを作った理由としてはしっくりくる。
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