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女「なんか、もういいや。なんか、」
男「えっと、、、」
女「私、わたしは、なんだろう、もう、いいや」
男「ちょっと、待って、考えすぎ。とにかく、別に君が悪いわけじゃないし」
女「……」
男「……」
智也は思った。
自分の想像があっていようがあっていまいがどうでもいいけれど、
とにかく泣くほど悲しい時に、そばにだれかがいてくれることはいいことだなと、ふたりのことを思った。
こんなブサイクな女が泣いているのを優しく慰めるなんて、この男はなんていい男なんだろうとも思った。
何があったかは知らないが、二人が幸せに日々を過ごしてくれればいいと、思っていた。
その数日後、今度は女同士で来店した。
喫煙室だった。
「あれ?」
と智也は思った。
カラオケの個室は、ガラスドアで分けられていて、外から中が見えることがある。
この前泣いていた女が、足をまっぴろげて煙草をふかしているのを見て、
「あれ?」
と智也は思ったのである。
なんというか、その姿は不愉快だった。
女であるにも関わらず、人目をはばからず足をまっぴろげて、煙草をふかしている姿は、
醜いと思った。
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