二階の腸

　真夏の日差しが酷な日だった。

　転居先がやっと決まった。
　もうバイトをして、お金を貯めて、２年にもなる。

　これで念願の独り立ちだ。

　なんでも分譲マンションの隣で、管理会社も同じだった。そのため外観、住み心地、駅へのアクセスなども隣のマンションと大差なく。エントランスまで付いて家賃が１万８千円だ。

　ただ、腑に落ちないのは……。
　これだけそろっていて、何故人気がないのかぼくは疑問だった。

　小さなことにくよくよしない。
　ぼくは子供の頃からそう言われて育った。　
　だから早速、引っ越しをした。

￣￣￣￣￣

　汗がとめどなく腕に滲む日に、意気揚々と機能的なエントランスに入ると自分の部屋を探して気が付いた。