泥臭い魚は皮を剝いでみよう

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 アデルの推測では、エンジはこことは別の世界で死が確定し、そっちで生命の循環に組み込まれるはずだった。しかし、どういうわけかアデルのいびつな転生に巻き込まれ「こっちの世界」で転生することになった、らしい。  不思議な巡り合わせだなぁ、とエンジはしみじみおもった。アデルは元がドラゴンだったらしいので『転生』という表現が正しいのだろう。エンジは『転生』というよりは、実感としては『異世界召喚』に近い。まぁどちらにしても、二人ともこの世界では異物(イレギュラー)なのだ。そんな二人が偶然同じ場所で目覚めた。偶然?必然? ----ぐぅーーーー 「腹がへったのじゃ。」 「…早くない?」 「お主と違って、わしは急激に魔力を消費したのじゃ!腹も減るわ!」 「えぇ…」  強力な分、燃費もそれなりということか。まぁそれならば仕方ない。ちょっと草むらに入ればバッタはいくらでも取れる。 「バッタ、いるか?」 「それはもういいのじゃ………もっと、うまいものが食べたいのじゃ。そもそも獣がおるかもしれんと、川辺に来たのじゃ、何か…周りに食えそうなやつはおらんかのぅ。気配を探っても虫ばっかりじゃ。」 「獣かー、獣より魚の方が可能性は高そうだ。」 「なんでも良いから肉が食いたいゾ。」 「はいはい。…さて、どうしたものか。」  自分のスキルについてもまだよくわかってないが、できることはあるか考えた。 「…よし、釣りをしよう。」  キッチンツールで?どうやって?
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