泥臭い魚は皮を剝いでみよう

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 まずはタコ糸。チャーシューとか作る時に巻く紐だ。念じると手のひらから紐先が現れ、それを引っ張るとどこまでもでてくる。引き出すたびに身体がむずむずする。感覚が気持ち悪いが、仕方ない。  次はピケ針。チキン針ともいうが、肉や野菜の中心に火が通ってるか確認する針だ。これもなぜか手のひらから、先端がにゅっとでてきたので引っ張り出す。無くさないための配慮?よくわからん。これを曲げて釣り針にする。  キッチンバサミはフライパンみたいに念じれば宙にすっとでてきた。あとはさらし木綿。これで準備おーけー。  針とタコ糸を結び、さらしにバッタを詰めて絞り、口をタコ糸で縛る。そのへんのいしで上から少しすりつぶす。手頃な丸い石を別のさらしで包み重り代わりに使う。重りをタコ糸の先端と結び、その上に針付きのタコ糸、針の上方にさらしのエサ袋をタコ糸で結ぶ。浮きも何かで代用できそうだが、頭がクラクラしてきたため断念。これが魔力の使いすぎというやつなのか?エナドリを飲みたい。  簡易ではあるが、基本の投げ釣りの仕掛けっぽいものができた。ある程度タコ糸を伸ばしてはいるが、川幅が広いうえ、どこまで投げられるかわからないので、手からタコ糸は出し続けてる状態だ。 「ほー、器用なもんじゃ。これで魚が釣れるのかえ?」 「釣れたらいいなぁ、ってとこだ。俺はそんなに力ないからな。アデル、お前が紐をぶん回して川の真ん中辺りに投げ込んでくれ。」 「おもしろそうじゃのう!やってみるのじゃぁーー!」
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