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惑星衝突 ―4月1日の夜に―
俺は、高校生となった横山 剛。
4月1日の晴天の日、俺は無事 高校へ進学した。
そんな最中、ふとテレビから あるニュースが目に入った。
「天文学者・コバルト・アンタレス大学教授によりますと、早ければ日本時間の今日 午後6時10分ごろに小惑星・ケスラー162ptが、地球に衝突すると発表いたしました。
ケスラー162ptは、月よりも小さい大きさで、地球の周りを周回し、衝突するということです。
また、アンタレス教授は、『遅くとも、20時間以内だ。 もう人類は運命から逃れられない』などと話し、菅野 真次首相も、記者会見を開きました……」
この報道により、世間は混乱の渦の中へ巻き込まれた。
中には自殺者も現れ、たった半日で1万人を超えた。 全国的にお金を使う人も増え、経済効果は抜群だ。
次第に、アンタレス教授により、宇宙望遠鏡での観測も報道され、半信半疑だった人は ほとんどいなくなった。
そんなことを考え込んでいると、すでに6時になっていることに気付いた。
俺は、家族で最後のお別れ会を開いた。
「この報道が本当なら、もう明日は来ないだろう……」
「私、信じたくないわ」
「どうせ単なるジョークだと思うわ……」
一同が声を揃えた。 MHKのニュースをつけ、報道を待つ。
すると、緊急性のあるテロップで、速報が入った。
「たった今入った情報によりますと、コバルト・アンタレス教授は、『日本時間の今日は、何の日でしょう?』と、冷たい笑みを浮かべ、報道陣の前から姿を消しました」
――今日は、4月1日だった。
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