真実

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 彼の手は次第に下半身に伸び、ショーツの中に。 「あっ……!だめっ……」  彼は、私の言葉を気にする様子などない。  ショーツの奥まで指先を伸ばした。 「やっぱり、美月の身体は素直だな。さっきのキスだけで濡れたでしょ?」    そう、さっき彼が言ったボディチェックのキスの時から身体は反応してしまっていた。そしてまた性感帯を責められ、再度溢れている。  自分でもわかるから恥ずかしい。 「ちがっ……」  私の否定を聞いて彼はクスっと笑った。 「ここ、気持ち良い?」  彼はショーツの中で指先を動かし、クイクイっと突起を擦る。 「あぁっ!」 「そんな声出して。気持ち良いんだろ」  私はフルフルと首を動かし、抵抗をした。  がーー。  彼の指先が動くたびに快楽に襲われる。 「もっ……。だめっ!!」 「何がダメなの?」  ビクっと身体が反応し続ける。  もう……。限界かもっ……。 「い……っ!イきそ……」  自分の身体なのに、嫌気がさす。  一滴、涙が流れた。  どうして涙が出てくるのかわからなかった。  彼は 「お前を泣かせていいのは、俺だけだから」  そう言った。  あれ……?  そのセリフ、前にも誰かに言われたような気がする。  一瞬、過去を振り返りそうになったが――。 「あっ!!」  彼に容赦なく責められ、私は絶頂してしまった。  その後も――。  「イっ……んっ!!」  部屋には私のだらしない声だけが響く。  何回イっちゃったんだろう。  頭はもう真っ白。 「もう……。許して?お願い……」  彼に懇願した。 「まだ足りない」  低い声、彼が悪魔に見えた。  彼は私に何を求めているの?足りない?何が……?  キスをしようとした彼を私は不意に抱きしめた。 「美月……?」  意識が朦朧とする中で、子どもをあやすかのように彼の頭を撫でる。 「大丈夫だよ。くん……」    その時、彼のことをなぜ名前で呼んだのか、自分でもわからない。  ただ頭の片隅に<お前を泣かせていいのは、俺だけだから>という彼の言葉が薄ら残っていた。 「どうして俺の名前……?」  彼の言葉が耳元で聞こえたが、私は目を閉じてしまった。
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