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精神科閉鎖病棟入院3
そうして、私はまたこの奇妙な部屋で食卓についたのだが、ここで再び記憶は飛ぶ。
次に記憶が戻ったのはお高めの病院の大部屋のような雰囲気の、四人部屋のベッドの中の一つの布団の中だった。
テレビは天井についていて、部屋自体はとても綺麗だったし、ベッドも大き目で広くてきちんとしていた。
私は体を拘束されていないことと、尿道カテーテルがぶっ刺されていないことを確認する。
オムツ姿で、元々履いていたパンツではなかったし、着ている服は病院の患者さんが着るような浴衣のような服で、元々着ていた服も持っていたバックもどこにあるのかわからない。
ただ、そのベッドでつけっぱなしのテレビ画面を見上げていた。
多分木曜日だったのだと思う。
その時間にやっていたアニメがやっていたからだ。
テレビも多分自分でつけたのだろうとは思う。
リモコンを握っていた。
ただ、いつからこの部屋にうつって、ここでテレビを観ていたのかは思い出せない。
その日からの記憶はわりと残っている。
そのベッドのある部屋を出れば、すぐに廊下がある。
とても綺麗で大きな病院だった。
すごく広い広間にはご飯を摂る為のテーブルとイスがズラリと並んでおり、その横のさらに広いスペースには、人が一人が入れるくらいの電話ボックスくらいの広さの喫煙所があり、その他の部分は長い長いソファーで埋め尽くされていた。
この広間の部屋は周りが全てガラス張りになっていて、外が見渡せた。
ガラスは分厚く何重にもなっているようで、とてもじゃないが割れそうにもない。
まあそんなのは当たり前なのだが。
その窓から外を見てみても、ここがどこだかわからない。
自動販売機が見えて、コーヒーが飲みたいな、なんてそんなことを考えた。
朝は決まった時間に起こされ、体操をし(私は出たことない)、決まった時間にご飯を食べる為に席につき、お昼までは自由時間。
そしてお昼ご飯の時間にも呼び出しがかかり、入院している皆と共に席につき、昼食をとり、また夕食までは自由時間。
ちなみに自由にできるのは折り紙だけだった。
あと、看護師さんに言えば、一日一本だけ煙草を吸えることがわかったので、私は一日一本、昼食の後だけ小さな喫煙所で煙草を吸った。
そして、夕食を食べ終わると眠剤が配られ、一人ずつ看護師さんの目の前で舌に錠剤を乗せ、飲み込むところまでを見張られる。
その後は眠れるまで自由時間、と言う感じの毎日だった。
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