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かふぇ②
店に入り、席に座る。明日太が珍しくメニュー表を見ている。
「今日は俺が決めてやる。お前のお楽しみデザートは俺が決める」
そんなことを言いだした。
初めてのことだ。
いや、他の場面では多々あったな。
読書が苦手な私に明日太お気に入りの本を勧めてくるとか、お気に召さない本でさえも、共有させるため私に読ませたりとか。
何か選択肢で悩んでると、選んでくれたりというか、勝手に決まってたりとか。
ああ、私は明日太のことが大好きで、好きの想いが先行しちゃってたんだ。
分かってたはずの本質まで気づき漏れがあったんだな。私が困ったり悩んだりすると、必ず指し示してくれていた。
俺様主導に近いのかもしれないけど、私は救われてた。
大きなことも小さなことも、いつの時も救ってくれてたんだ。大きいなあ、私の大好きな明日太は。
え?
でもなんでそれが今?
これは違うのでは?
「明日太くん。なぜに本日は私のお楽しみデザートをチョイスされるのか?」
明日太に救われてたたくさんの時間に思いを馳せたけど、こればかりは分からない。
「どうせ決まってないんだろ。だったら俺が決めてなにが悪い。お前、かたよってるからな」
「なるほど。オッケー分かった。明日太チョイスいってみようか」
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