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夜の灯火
少年の時代からずっと見たくも無いものを見てきた。
そこら中が真っ赤に染まり、慣れない血の匂いが鼻を突いて常に身体に染み付いていた。
気付けばオレは三眷属の王になり屍の上に立つ存在になっていた。
吸血鬼、獣人、魔女。純血を重んじる種族だ。オレはその三眷属の前例の無い混血種らしい。
産まれた時からオレは獣鬼魔人であると忌み嫌われ抹殺を試されるが、母と父に護られて生き延びることが出来た。
だが5歳の時、母は父を殺し姿を消した。
父の返り血を浴びた母の後ろ姿は今でも目に焼き付いている。
母が去り、
オレはひとりぼっちになった。
幼くてもやはりバケモノと言われるだけあり、敵意のある者は全て殺した。
父と母の戦い方は覚えている。だからかすんなりとどうやれば相手の息の根を止めれるかが出来た。
そして3年の年月が経ち数多の屍の上にオレは立つ。
下から見上げる三眷属達は一斉に片膝を地面に着き深く頭を下げ吸血鬼の真祖がこう言ったのだ。
「どうか我らをお導きくだされ。新たな王よ」
その時、オレは既に何処かにあったはずの人としての心を失っていた。
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