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ミユキ ナギサ ヨル ミカ シン ユズ アラタ ナオ タマキ セリナ ノゾミ ハルカ ヒカリ ヒカル サワ コウ
「あの…。雪兎くん、何をしとるんじゃい?誰ぞ、女の子の赤ん坊でも生まれるのかの?」
「あぁ、ソウスケさん。いや何。他ならぬ、あなたの名前を考えてたんですよ。流石に、本名で通学する訳には行きませんから。BL本での命名法、『受けの名前は女の子に間違われる』に従って色々と用意しておりました」
「何で、BL本の命名法に従うんじゃ…?と言うか、受けでもないぞい!孫やひ孫が、何人もおると言うておろうが」
「まぁまぁまぁ。実際に子供が何人いるなんてのは、些細なことですよ。受け攻めの定義にしてはね。そして、すでに名前は決定しておりますよ!こちらです」
『命名 辻村颯』
「つじむら…そう?」
「ハヤテです。先程の基準で言うと、ちょっと攻めっぽくなっちゃいましたけど。俺が一番好きなBL漫画の、受けキャラの名前から一文字取りました」
「そ…そうなんじゃな。名字の辻村と言うのは?」
「母の旧姓ですよ。東京に、母の弟…。要は、俺の叔父さん(ホモ)がいるんですけど。彼の、息子だってことにしましょう。41歳と16歳で、年齢的にも違和感がありません」
「そういや、これまた法事でお会いした気がするのう。君と同じく、いやにナヨナヨとした外見であったが」
「血筋ですかね。群馬県の高校に通うことになったため、親戚筋を頼って俺の家に住むこととなった。だが突然の急病で、入学が二週間ほど遅れる事となった。設定も、これで完璧です。あとは、さっき言ってた高校生らしい言葉遣いですね。これを」
そう言って、一冊の本を差し出した。表紙には、男と男が抱きついた絵柄が描かれておる。これは…?
「腐男子の聖典、BL本です。これを読んで、言葉遣いと知識を身につけましょう」
「何で、BL本!?他に、いっぱいあるじゃろ!?」
「トオイくんの恋愛を、応援するんでしょう?同時に、男同士の恋愛についての知識も得るので一石二鳥です」
「そう言うもんかの。ワシの漫画に対する知識は、のらくろが伍長になった辺りで止まっておるんじゃが…。あの、そして…。『細ぇ腰』とか『おもしれぇ男』とか、日常生活で言う機会あるのかの?」
「BLの世界では、挨拶みたいなもんですよ。さぁグチグチ言ってないで、さっそく練習しましょう。『そ…そんなに大きいの、入りきらないいいい』」
「だから、何で受けの台詞を言わせようとさせるんじゃ!?」
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