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「なるほどね」  手が添えられたかと思うと撫で上げられて、腕の中で体が跳ねる。  同じ男同士なんだから当たり前だけど、慣れた手つきで容赦なく、けど高めるというよりは玩具みたいに手の中で弄ばれて声が漏れた。  後から考えたらその程度、なんだけど、初めての俺には他人の手で触られたというだけで息苦しいくらいの刺激で、布団を握りしめて堪えた。 「……っ……」 「何を、考えてたのかな」 「ひっ……」  耳たぶを食まれて、これも初めての刺激に首筋まで電気が走った。 「こんなになるまで、自分で慰めてた?僕が出て来るのを待てなくて」 「ちが……」 「違う?」  耳の後ろを、生き物みたいに舌が這う。  下を触られたまま、もう片方の手はいつのまにかスウェットを捲り上げて、腹のあたりをもどかしい手つきで撫でる。  快感とくすぐったさの中間くらいのそれは、やるならもっと強くしてくれとねだりたくなるようで。 「っ……」  耳たぶをねぶりながら、奏人さんは俺の胸に手のひらを置く。  そっと、それ以上何をするわけじゃなくただ置かれていると、心臓の音を通して全部バレてる気がした。 「……ごめんって……」 「ん?」 「……初めて、あんたのベッドなんて入ったから……なんか、変なこと考えて……」  ふ、と笑う息が耳にかかって、またぴくりと反応してしまう。
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