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「……ひゃ、ぇ……」
声が出せなくて、手を後ろに回して腿を叩くと、口を塞いでた手が外れる。
「ん?」
「……やめ……いっちゃ……から」
「ああ。いいよ。いって」
「ぅあ!」
ぐい、ともうヤバいのを握り直して根元から擦り上げられると、ぞくっと背筋を快感が走って首を振った。
「どうして?いきたいんだろう?」
子供のいやいやみたいに首振って、俺は言った。
「……こわい……から」
「は?」
「……っ……なんか……奏人さんの手、良過ぎて、ヘンになりそ……」
胸も、下も、どこがどう気持ちいいんだか訳わからないくらい、びりびりと強い快感が体の中暴れまわるみたいで。
振り返りながら訴えると、一瞬の間のあと、奏人さんは微笑んで俺の首筋にくちづけた。
「ひ……」
唇が押し付けられて軽く吸われる感覚に頭のてっぺんまで電気が走る。
触れられてるとこ全部が敏感に快感を拾おうとするようで。
涎みたいに漏れる先走りをぬるりと擦りつけられるのも、胸の先を優しく撫でられるのも。
涙出るくらい気持ち良くて苦しい。
「……っ」
声堪えて体をふるわせる耳元に吐息混じりの声が囁く。
「分かってはいたけど、……きみは本当に知らず知らず煽る性質みたいだねえ。自覚なしというやつかい」
「ひぁ!」
かり、と耳たぶ甘噛みして、奏人さんは続ける。
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