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肉厚な舌先で首筋をなぞられ、レイネシアはびくりと身体を震えさせた。狂おしいほどの酩酊感で全身が粟立っていく。
ふくらみを弄んでいたルーカスの手が、腹から臍を辿り、下へと降りていく。
「んっ、ひぁっ、あぁあああっ」
レイネシアは必死に頭を打ちふるった。ルーカスに身体を暴かれている嫌悪感からではない。ひたすらに気持ちよくて五感がひどく鋭敏になっているからだ。
息を乱すレイネシアをよそに、ルーカスはレイネシアの身体を暴いていく。
「あぁぁっ、殿下っ、でんか……!」
「レイアがそんなに甘えた声で私を呼ぶようになるなんてね……」
たまらずレイネシアが髪を振り乱して快楽を逃そうとすれば、ルーカスがくつくつと喉を鳴らした。
「レイア」
額にじっとりと汗を浮かべたルーカスが軍服をくつろげ、指の代わりにきつく反り返った剛直をレイネシアの蜜口に宛がった。ルーカスはそのままゆっくりと腰を押し進めていく。
「は……あぁぁっ……」
レイネシアの狭穴を、張り詰めた雄槍が押し広げていく。破瓜は痛みを伴うので香油を使うようにと習った気がするが、もしかして自分は嘘を教えられたのではないか。それとも人間でなくなったからだろうか? そう思えるほどに、目の前には快楽しかない。
「レイア……私の、レイア」
満足げに微笑んだルーカスの赤い瞳には万感の想いと歪んだ獣欲が入り乱れていた。途端、ルーカスが弾みをつけて最奥へと打ち付ける。
ルーカスはレイネシアの膝を抱えたまま激しい律動を繰り返す。脳がガンガンと揺れる。レイネシアは堪らずシーツを掴んで、喉を仰け反らせた。
繰り返す充溢と喪失に眩暈がする。どうしようもないほどの快楽にレイネシアは震えた。思わずルーカスに縋るように手を伸ばす。
「レイアっ……これから毎日、愛し合おう。そうしないと、レイアは……っ、狂って、しまうからね」
全身に受け止めきれないほどの大きな快楽の波が押し寄せ、白い世界に没入したレイネシアは思考を放棄した。快楽漬けにされたままの肉体はおりてこられず、激しい淫悦を小さな身体で享受し続ける。
激しすぎる陶酔のうねりに飲み込まれ、レイネシアは背中を弓なりにして仰け反った。
「やぁっ、あぁぁああっ!!」
「レイ、アっ……!」
二、三度腰を叩きつけたルーカスが、レイネシアの最奥に精を放った。全身が小刻みに震え、レイネシアの腕がだらんと落ちる。
汗ばんだレイネシアの髪をよけ、ルーカスはレイネシアの唇に小さく口づけた。柔らかで熱い唇の感触がレイネシアの精神を侵食する。
「っは、あ、あぁ……」
「レイア……愛している。私のもとを離れることは赦さない」
レイネシアは頭上に浮かぶお揃いの赤い瞳を見つめながら、投げかけられた言葉の意味さえ飲み下せずとろりと瞼を閉ざした。
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