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次の日、リーフはまたあの公園にいた。少しどきどきする。俺は走って駆け寄る。別に待ち合わせしてたわけではないが…
「リーフ!」
リーフはスケッチブックに何かを描いていた。こちらに顔を向けるとにっこりと笑う。
「ネオン!今日も歌の練習?」
「まあね!卒業式まであと少しなんだ。気合いいれなくちゃ!」
俺はいつものジャングルジムにのぼって声出しをしはじめた。
しばらく歌の練習をした後、俺は地面におりた。
「ところで何描いてるの?」
リーフに尋ねる。彼女はスケッチブックを見せてくれた。柔らかなピンク色の花がスケッチブックの中に咲いている。
「梅の花!あそこに咲いてるでしょ。」
リーフは近くの木を指差した。
「これ、梅だったんだ。」
俺は感心した。今まで気にもしなかった…
「花とか風景とか、自然なものを描くのが好きなの。でもそのうち人物も描きたいなぁ。」
リーフは色鉛筆を持つと、絵の続きを描きはじめた。
「見てていい?」
「いいよ〜。」
俺はしばらく彼女の隣に座って、紙の中に花が咲いていく様子を眺めていた。
そのまま日が暮れていく…
「そろそろ絵画教室の時間だから、またねネオン!」
「うん。楽しかったよ!またな!」
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