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中学生っていろいろと忙しい。勉強は難しくなったし、楽しみにしてた部活も始まった。
俺は合唱部に入部した。友達はみんなスポーツ系の部活に入部した。
「おまえ、歌に興味あったんだな」
「まー昔から歌うまかったもんな、頑張れよ!」
部活は違っても友達は友達だ。否定せず、合唱部に入部した俺を受け入れてくれた。
部活終わりにあの公園にいくが、なかなかリーフには会えなかった。
たまに会えた時に聞いたのだが、美術部に入って、部活終わりに絵画教室に行くらしい。部活もあって、さすがに絵画教室は週に3回にしたと言っていた。
そして、あの2人で描いた絵のコピーを渡してくれた。
「ありがと!」
あの後描いたのだろうか、背景に桜の木や音符が描き込まれていて、俺が描いた不恰好なリーフ以外は立派な絵に仕上がっていた。
「ネオンが描いてくれた私も素敵よ、あじがあって。」
「それ褒めてるの?」
「褒めてる褒めてる!ネオンが描いたからこそ、この絵が完成したのよ」
ある土曜日、部活がない日、あの公園に歌の練習にいくと、リーフがきていた。リーフは俺を見つけるとにっこりと微笑んでくれる。
「やぁ!今日も絵画教室?」
「…いや、今日は久しぶりに自分の好きな絵を描こうかなぁって思って。」
リーフは恥ずかしそうにそう言った。
しばらくお互いの時間を過ごした。一通り歌の練習を終えた俺は、リーフが座っているベンチに腰掛けた。
「お疲れ様〜。いつ聴いてもいい歌声」
「あ、ありがと。へへへ」
俺は頭をかいた。そして考えていたことを話す。
「俺、そろそろ作曲しようかな〜って思って。自分でメロディを作るんだ。」
「前に言ってたね!自分の歌を作りたいって。いいことじゃない!」
「…それで作った歌をリーフに1番に聴かせてあげる!」
…言ってしまった。でももう決めていたことだ。
「本当!嬉しいなぁ!ありがと!楽しみ〜」
リーフは飛び上がって喜んだ。
「そうだ!私がその歌のイメージのイラスト描こうか?」
リーフが振り返って俺の顔を覗きこむ。
「イメージのイラスト?」
「そう!この歌はこんなイメージだなぁ〜とかこんな風景って感じ、こんな色を感じるっていう絵を描くの!歌が完成したら描くよ!」
リーフは得意げに言う。
「いいねそれ!よぉーし、いい歌作るぞー!」
俺も立ち上がって空に拳を突き上げた。
隣でリーフが「おー!」と真似をして拳を突き上げた。
それからも俺たちは、たびたび会って話をしたり、ただ一緒に過ごしたりした。
待ち合わせしていたわけでもなく、俺はリーフ会いたいと思って公園に向かっていた。
放課後や休みの日は友達とも過ごしていたため、以前より会う頻度は低くなっていた。しかし俺はあの公園に行くのをやめなかった。
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