小さな夢

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そのまま俺は夏休み中に引っ越しをして、夏休み明けから新しい学校に通うようになった。リーフには何も伝えられなかった。 引っ越し当日、車であの公園の前を通った。 ピンクのワンピースを着て、少し日に焼けた少女がジャングルジムによりかかって大きなスケッチブックをめくっていた。リーフだ。 車を少し止めてほしいと頼んだが、断られてしまった。 「ごめんな〜引っ越し業者さんがもう新しい家に着きそうなんだって。なんでも時間を1時間早く間違えたそうなんだ。急がないと。」 と父親はスピードをあげる。 俺は小さくなっていくリーフを窓越しに眺めることしかできなかった。リーフに気持ちを伝えられなくて悔しいこと、最後にリーフと話せなかったこと、泣きそうなことなど、いろんな感情が混じってよく分からない。 俺は初めて作った歌がかかれた五線譜の用紙を小さくたたんで、ズボンのポケットにつっこんでしまった。
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