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第2話【マナー違反にはご注意を!】
「へへへ〜♪もう2人も入っちゃった〜。」
メリーは気分が上がっていた。
その勢いのまま、前へ走っていく。
「スゥー、コラー!!!」
後ろから突風が吹いてきたぐらいの声で叫んできた。
そしてズカズカこっちに来る。
「気分任せで調子にのってはいけません!ルールを守らないとダメです。もう…。」
そう、僕は彼女を入れたかったのだ。
「こーんさん!探してたよ〜」
こーんさんこと乙葉 きいろ。
大人しい性格で、とても可愛い。
背が小さく、きいろという名前からこーんと呼ばれている。
「すいません、きいろさん。」
僕ではなくもふねこが謝った。
「謝ることは重要ではありません。どうして走ったのかが気になるのです。まったく…これだから庶民は…」
かなりウザイが彼女は生徒会で学年成績トップ。ご令嬢さんでお優しいお兄サマが居るらしい。大したもんだ。
「ねぇ、一緒に探偵やろうよ!」
するとこーんは呆れた。
「最近の人気な遊びですか?やりませんし、勉強しては?テストは遠くありませんよ。」
本当に理想のご令嬢サマだ。偉そうなのも、頭がいいのも。
「そっか…そうだよね。ごめん、なんか欲しいのある?奢るよ?」
こーんは無視をして教室へ戻った。
「はぁ、好きで令嬢やってんじゃないんですケド。」
それでも僕は諦めなかった。
そして
「こーんさん!遊ぼうよ!」
「めりーさんにはかないませんね。わかりました。」
よしっこれで少しは仲良くなれるはず!
それから買い物やレストランなどに行っていっぱいおしゃべりをした。
「もう4時ですか、私はもう帰りますね。」
驚きだ。
「え!?もう帰っちゃうの!!」
「そうですよ、勉強、塾、ピアノの練習があります。庶民とは正反対なんです。」
どうしてなんだろう。
「どうして時間って守んなきゃだめなの?」
こーんさんは答えた。
「それは勿論、規則ですから。守るのは当然ですよ。」
なんなんだ。
「守んなかったらどうなんの。」
不思議だな。
「叱られるんですよ。困るでしょ?面倒くさくなるの。」
「せっかくの自由な時間でルール、ルールって可笑しいよ。」
こーんさんはため息をついた。
「何が言いたいんですか。」
僕はこーんさんを見て言った。
「特に何も。」
するとこーんさんは怒った。
「なんなんですか本当に!!家庭の事情は庶民と違って厳しいんです!私は楽なんかできないんですよ!!!私と貴方はアリとキリギリスぐらい違うんです!!本当は…もっと一緒に遊びたいんですよ。」
…そうだったんだ。
「ごめんなさい。」
こうして僕を無視して彼女は歩いた。
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