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第3話【乙葉 きいろの願望】
ちょっぴり昨日はガッカリしたな。
やっぱり彼女を入れることは無理なのだろうか。
団の扉を開ける。
「こっこんにちは。」
疲れできいろちゃんの声も聞こえてくる…?
「あの?顔色悪いですよ?どうしました?」
うっそぉぉぉぉぉ!どうしているんだろう!
「なんだい?やっぱり入りたかったのかい?」
ちょっと鼻を伸ばして言ってみた。
「今日はご一緒にお弁当でもと思いまして。」
え?そんなこと?
「すいません、些細な事で。でも話があるので。」
愛の告白?!って言うことはないか。
それにしてもきいろこと、こーんはどうしてモジモジしているんだ?
「フッ、緊張することはないさ。気軽に話を聞いてやるよっ」
イケボで言ってみた。
「あっ、えっと。ハイ。」
なんかごめん。
丁度階段手前でやっと口が…いや。話す内容が思いついた。
それまではまるで僕のイケボがすべっていたみたいな流れだった。
「昨日はごめんねぇ?でも悪気はなかったんだよぉ。」
今度はあざとめに。
「あの、さっきから声真似?みたいなの辞めてくれませんか?あと特に私はぶりっ子と呼ばれる物は苦手ですので、気をつけてくださいね。」
おーう。
するとこーんさんは話を戻した。
「昨日は私自身も言いすぎていしまいました、しかし、嘘ではないんです。」
「嘘だったら引くわ…」
「まぁ、個人的に言うのもなんですが、あまり嘘はつくほうじゃないので。」
だろうな。
偏見だが、令嬢っていわれると悪役で、主役(ヒロイン)をこき使い回し、最後に酷いハンゲキを食らうっていう感じがするんだよな。
「お兄さんってどんな人?」
「兄様ですか、そうですね。皆さんが知っている言葉で言う…ニート?ですかね。お金はだいたい生活できるぐらいはありますが、働くのでは無く、貰っている?感じですね。」
へぇ〜なんかイメージ外だったな。
そんな話をしているとあっという間に屋上へ着いた。
「やっぱカネモチはお弁当も格別なのかな?」
こーんに近づいてお弁当を見てみた。
「ふっ普通のお弁当ですよ!近いです!離れてください。」
普通に買えるソーセージとか冷凍食品とか、でもご飯はきっと高級な米を使ってると思っておこう。
「…そんで、本題に入ろうか。」
ちょっと司令官的なカンジで言ってみよう。
「是非、私をアスファルト団へ入れて欲しいのですよ。」
「もっちろん!なーんだ!そんな屋上へ来ることじゃなかったじゃん!」
するとこーんは下を向いた。
「私は弓道をやっておりまして、正式に入るとなると弓道部をやめなければなりません。幽霊部員になるか、正式に入るか
、他を探すか。」
悩みどころか…
「んじゃもう、弓道部やめろ。」
「え?」
まー、帰ってくる言葉は予想通り。
「そんな!」
「『そんな!』じゃなくて。」
困惑の気持ちが顔に出ている…
「かっ考えます、時間をください。」
_____数分待った。
お弁当も片付けが終わり、おなかいっぱいになっている。
「…わかりました。」
お?何がわかったんだ?
「いいでしょう。今すぐ弓道部を辞め、アスファルト団に入りたいと思います。全く、あなたにはかないませんね。」
「やったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!こーん!ありがとう!!」
また同様している。
こうして背の小さな仲間が増えた。
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