Prolog

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 桜が満開になる前の春の季節に俺の親友が死んだ。突然だったから何だか分からず、困惑した。遺書は見つかってない。  ただ、言えるのは"1人の女の子を巻きこんだ"、と言うこと。いわゆる、無理心中である。"何やってんだよ"、と憤りを感じた。  止められなかった事の後悔を滲ませながら拳を握った。  俺の親友ー近藤 悠大(こんどう ゆうた)、通称ユウ。  ヤツは死ぬ前に何故か自分のスマホを俺に託した。「電源、入れるなよ」と、言い残して。  俺は遺品となった祐太のスマホの電源を入れた。"言われなくても入れてやる"という思いで…。  ユウが遺した唯一利用したSNSであるLINEを徹底的に調べた。  "何で死を選んだんだ"?、何でその子を巻き込んだんだ?、と………。  そしてEメールを調べると、本文にはこう書かれていた。  "君が生きてくれれば、それでいい"、と……。  その意味とスマホを託した理由、そして女の子を巻き込んで死を選び、心中した理由を全て明かす事になるーー。  紹介を遅れたが、俺の名は松本 朝陽(まつもと あさひ)。  ユウの小学校時代からの親友で、今のユウのスマホの所持者だー。
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