Prolog

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ー???ー  わたしは目が覚めた。真っ白な天井を見上げる。"ここは病院なんだな"、と。  頭がズキズキとする。麻酔が切れたと思われる。何故かナースコールが押せない。  …そっか。  わたしは目が覚めたばかりだもんね…。  確かお姉ちゃんかお母さんが病院にいる筈。来るのを待とう。 ーーーーー 「奈子…、奈子っ!!」  その声はお母さんだ。毎日いや、たまに面会に来るんだっけ……。お母さんは感極まってナースコールを押した。  その後、目覚めたわたしに残酷とも言える出来事が待っていた。 「事故の後遺症で記憶や感情を失ってます」  看護師と病室に来た医者からそう告げられた。お母さんはショックを受けた。  わたしはあの事故で変わった、変わってしまった。  わたし、最上 奈子(もがみ なこ)は今、生きている…ー。
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