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6月。
初夏を迎えようとした日、その女の子は久し振りに登校した。普通そうに見えたが、そうではなかった。確か、ユウからのLINEにそう書かれていたな……。
『もし"あいつ"が命を取り留めたら、"あいつ"の事、よろしく頼んだ』
一体何を考えているんだよ……。その女の子の名は最上 奈子なのは分かっている。恐らく退院したばかりなので、最初は話しづらいだろう。
「なーに、珍しそうな顔で見てるのですか?」
いきなり声を掛けたのは加藤 圭一、通称けーちゃん。
俺の小学校時代からの友人で、ユウ共仲が良い。
「いや、なんもだ…」
「最上、1ヶ月振りだと聞いたから大丈夫だべか?」
「さぁ…」
俺とけーちゃんは北海道弁交じりで最上を心配する。
けど、そんな彼女に声を掛ける勇気はこれぽっちもなかった。何せ、ユウとしょっちゅう会っていたから…。
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