リボンキャンディと大泥棒

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「大変です!あの有名な お菓子だけを狙う怪盗シュンガーが リボンキャンディがあるはずの 台座にいますっ。 一体リボンっキャンディは どこへいってしまったのでしょうか」 テレビリポーターの女性が 一気にまくしたてた。 カメラがバシャバシャと光を放って 怪盗シュンガーを撮りまくる。 「ええい、ぼさっとするな逮捕しろ!」 そう叫んだのは団子原警部だった。 その声に我に返った警官たちが、 怪盗シュンガーに殺到した。 しかし怪盗シュンガーは、かぎ爪のついた紐を ひょいっとホールのシャンデリアにかけると そのまま、ひとっとびでシャンデリアに 乗ってしまった。 「団子原警部大変です。 リボンキャンディの台座に穴が空いていますっ 」 怪盗シュンガーに殺到した警官の一人が 団子原警部にそう告げた。 すると、シャンデリアから怪盗シュンガーが 「ご名答。僕は地下からこの台座を通って リボンキャンディにたどりついた。 何しろ、この建物はコンクリートの代わりに、 とても硬い、臼杵せんべい(うすきせんべい)で できていたからね。 しかも周りの土も、石パンで固くできていたが・・・」 そこで怪盗シュンガーが、 キラリと白い歯を見せて 「この怪盗シュンガー、甘い物でかみ砕けない 物は無い!!」 すると、人々をかきわけ大甘味社長が 「待て、リボンキャンディはどうしたっ」 と叫んだ。 すると怪盗シュンガーはにこりと笑って 「ごちそうさま」 と言って手をあわせたのだった。 そして、シャンデリアから、強化ガラスよりも硬い 水飴のガラスの窓に飛び移って、 どうしたものか、それを割って外へと出て行って 逃走したのだった。 後には呆然とする人々が残された。 そしてへたへたと座り込む大甘味社長。 そこへ、今回のリボンキャンデイお披露目式典に 招待された女の子が近づいて、大甘味社長に 「おいちゃん、飴ちゃん食べる?」 と言って、小さなリボンキャンディを 差し出したのだった。 それを見た大甘味社長は涙を流して 「吾輩が間違っていた。 本当に大切なのはお客様一人一人が おいしいと思い幸せな気持ちになるのが お菓子なのだ。 あの怪盗は確かにリボンキャンディを盗んだ。 だが、我が社のお客様の、我が社のお菓子を 美味しい思う心は盗めなかったのだ」 うわぁああああああ この大甘味社長の言葉に 周囲の人達から万雷の拍手と歓声が 湧きあがったのだった。 リボンキャンディの袋詰めは これを機に一気に売り上げを倍にした。 そして大甘味社長は今日も おいしいお菓子を作っている。 了
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