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「すると何ですな。
このリボンキャンディを
怪盗シュンガーが盗む予告の
カードが届いたのですな」
そう大甘味社長に尋ねたのは
三頭身のみたらし団子大好きな
団子原警部(だんごばらけいぶ)だった。
「そうなのです。苦節ン十年
世界中のあまーい物好き達が
これは美味しくて美しいという
リボンキャンディをやっと作ったのに!」
大甘味社長は蜂蜜の香りがするハンケチで
涙を吹いて話を続ける。
「調べてみますと、
怪盗シュンガーとやらは
甘いものが大好きな泥棒です。
これまでも多くのお菓子会社が
被害にあっています。
それが今夜、リボンキャンディを盗むと
予告のカードを投げてきたのです。
防弾ガラスよりも硬い水飴でできたガラスを
割って!」
団子原警部は社長室の社長の机の後ろの
割れた窓ガラスを見た。
窓ガラスは鑑識が丁寧に捜査をしていた。
その窓ガラスを見ながら
(防弾ガラスより硬い水飴のガラスって
どうやって作ったんだろう)
ついそんなことを考えてしまう警部だった。
いかんいかん、そんなことは後回しだ。
「とりあえず、大甘味社長。
怪盗シュンガーは警察も未だ捕まえられない
大物怪盗です。
その為、リボンキャンディを警察の厳重な金庫に
預からせてもらえませんか。
もちろん、証拠物件としてですが」
すると大甘味社長は大声をあげて
「それは無理です。
明日はリボンキャンディの
お披露目記者会見があるのですぞっ」
と叫んだ。
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