出会った時が約束の日

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出会った時が約束の日

僕が文章を書く様になったきっかけは大学生の時に同棲していた彼女の影響からだった。 彼女はアイドルばりの美人でとても気が強く「私以上の美人はいない」と絶対の自信を持って断言していた。 そんな彼女が僕みたいに世間知らずで野暮ったい男にどういう訳か好感を抱いてくれて、会う前のつまらなかった大学一年の時とは対象的に僕の人生が薔薇色に輝いた時であった。 一方で彼女の性格は無類の猫とミステリー好きで猫を見かけるとヨダレを垂らしそうなほど顔を緩めてニマニマと猫を見つめる癖があった。 普段は天下無双と言わんばかりに黒髪を威風堂々と靡かせ男の目線もすかしながら歩いている彼女だが猫とミステリーのことになると弱く、そのギャップに僕はいつか必ず彼女のことを小説にする!と心に決めたのだった。 あれから三十年以上の年月が流れ、彼女はもうとっくに僕のことを忘れているだろう。 それでもあの時のクールな中に好きなものは好き!とはっきり言える強さできっと幸せな人生を送っている、、筈だ。 終わり
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