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それでも月曜日はやってくる。ぐっすり眠った者にも、一睡もできなかった者にも。この世で唯一平等なことかもしれなかった。
二限の授業が終わり、昼食を食べる気がしないと思いながら荷物をまとめていると、大地が俺の席に近づいてきた。
「ねえ、目が腫れてるけどどうした?もしかして泣いた?」
大地には関係のないことだ。適当に首を横に振る。
すると、大地はいつになく真剣な声で言った。
「俺を見ろ。」
面食らって大地を見ると、きっと唇を引き結び、俺をまっすぐ射貫いていた。
「な、何だよ。」
「弥生ちゃんは俺をまだ一回も見たことがない。そうだろ?」
訳のわからないことを言うものだ。見たことがないわけがない。何度も遊んだり話したりしているではないか。
「お前はずっと遠くの誰かを見てるよな。」
何も言えず沈黙した。すでに他の学生は皆教室の外に出ている。
「俺、知ってるよ。あいつだろ。Silver Arrowのアマリだろ。」
大地は前の席の椅子を俺のほうへ向けて座った。そして頭を掻いた。
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