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「お前ら仲いいしさ!もっかい付き合えばいいじゃん!」
結局先輩たちが姿を見せるとそれなりの人数は集まって、活動している体育館でいつものようにバレーボールをやった後、何人かでファミレスに来るとわざわざ隣に座らされてニヤニヤと笑われた。
それがちょっと嫌で俯くと、将太は笑って押してきた先輩の頬に手を伸ばして軽く引っ張ってからそっちへとすり抜けていく。
「痛ってぇな!」
「余計なことするからですよ」
笑いながらヘッドロックをされてグリグリとこめかみに拳を当てられる将太。
「でも、別れてもまだ仲いいんだろ?お互い彼氏も彼女も居ねぇんだし……復縁しねぇの?」
「うっさいです」
中学の頃によく見たその光景にホッする。
「はぁ?」
「あ、先輩、コーヒーでいいですかー?」
「飲めねぇよ!」
戯れ合う中心にいつも居た将太。
“好き”だと思う。
こういう将太を見るのが。
と、同時に自覚してしまった。
そういう将太がよかったことに。
あの腕の中は心地よくても、優しく抱き締められたいんじゃなくて、また笑って気楽に触れ合いたかっただけ。
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