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真実と嘘
「真実と嘘」
「現実と妄想」
「正義と悪」
それらは全く別のもののように見えて、本当はよく似たものなのだと、彼は言った。
彼の名は桜庭良一。話題のミステリー作家だ。
彼はダークミステリーで有名な作家で、フィクションとは思えないリアルな心理描写が売りだった。
また作品のイメージとは打って変わって好青年なイケメン作家とも言われており、テレビで見る機会もあるほどだった。
3人は彼の作品がいよいよ映像化するとかで、その記念パーティーに来ていた。
モデルは今度の映像化で主人公である殺人鬼と対峙する若手刑事の役を引き受けていた。
ジャーナリストは雑誌の特集のために取材に来ており、彼女と知り合いの探偵は彼女に頼んでこの場に連れてきてもらっていた。
前々から本物の桜庭を見たいと思っていたのだ。
桜庭には黒い噂があった。その黒い噂を持つ男がどんな男か、見てみたかったのだ。
パーティーと言っても小さなもので、ジャーナリストは取材の一環としてもともと知り合いだったモデルへ近づいた。
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