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とそんなどうでもいい話をしているうちに外がざわざわしてくる。
今時間は8時20分、朝礼開始まであと10分。
こんな時間帯に外がざわざわしだすなんて絶対あいつの仕業に決まっている。
窓から外を見遣ったその時、女子の黄色い悲鳴が聞こえてくる。
やっぱり予想通り。校門のあたりに黒いリムジンと、そこから降りてくる男子学生の姿。
遠くからでもあいつだとすぐにわかってしまう。
有名デザイナーがデザインしたというオシャレな濃いグレーのブレザー。
それをこの学園の誰よりもかっこよく着こなしているのは彼だと言っても過言ではない。
ここは清黎(せいれい)学園。言わずと知れた名門のお金持ち校。
とは言え家のランクにはそれぞれ差がある。
あたしみたいに電車通学の中流の娘もいれば、彼みたいにリムジン通いの生粋のお坊ちゃんだっている。
長身イケメン、成績優秀、その上日本中の誰もが知るホテル王の一人息子。
欠点の探しようがないほど完璧なこの男の名前は立花悠人(たちばなはると)。
あたしとこの男とは、あたしがこの学園に編入した中学1年の頃からかれこれ4年続く腐れ縁の中だ。
テストではいつも上位を競い合い、顔を見るたびに喧嘩をする仲である。
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